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第61回: 地理情報収集は伊能忠敬に学べ

久しぶりの日本出張で、東京に滞在している。先月はパリを訪問したが、どちらの滞在先でもNHKのテレビ番組を見る機会があった。

印象的だったのは、数学上の0(零)を発見したのはインド人であるという話と、“急がば回れ”は東海道五十三次の草津宿と大津宿の間にある琵琶湖を陸路で迂回することに由来するという話である。コンピュータは2進数、すなわち0と1に立脚しているので、インド人が0を発見してくれていなければ、ITの進歩は回り道してしまい、情報社会の到来はしばらく先のことになっていたに違いない。

もっとも、情報社会の先鋒といってもよいカーナビ用の地理情報収集(地図作成)は、“急がば回れ”が基本のようだ。航空・衛星写真等からは得られない、通行規制や案内板の表記内容といった情報を、測量用の車両で実地走行して収集している民間会社が複数ある。道路の新設や廃止、車線の変更などをいち早く見つけてデータベースに反映するのも重要な役割で、最大手の場合、1台の測量車が調査する行程は1日当たり80kmから500kmにも及ぶという。さしずめ、現代の伊能忠敬といったところか。

伊能忠敬が日本全国を自分の脚で一歩一歩踏みしめて回ったのと違い、現代の道路測量はアクセルを踏むだけで進めてしまう。風情がないようにも思えるが、既に世界数十カ国で延べ2,000万kmの道路と7億件以上の住所を調べ上げていることを考えると、その夢や志には、どこか通じるものがあるに違いない。

NTT DATA AgileNet (岡田)

本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン 2007年3月22日号に掲載されたものです。

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