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第58回: 社会インフラとしての情報貸金庫

「形あるものはいつかは壊れる。」悔しいことに、これはコンピュータにも当てはまる。理由が何にせよ、あるいは原因すら不明でも、とにかく処理中あるいは保存しておいた大切な情報が消失・破損してしまっうという事態は、恐らく誰もが経験したことがあるだろう。再作成に多大な時間や費用がかかるデータや、そもそも二度と取り戻せないようなデータを失うと、大きな痛手を被ることになる。出張先で必要なデータや現地で作成したデータが破損してしまった場合などは、なおさらだ。

そのようなことにならぬよう、平素からデータのバックアップを取っておくことが基本だが、そうすると今度は、原本に加えて、そのバックアップも確実に保護・管理しなければならなくなり、情報セキュリティの面からは不安や負担が増大してしまう(特に、出張先でデータを取り戻そうとするのであれば、バックアップも携行しなければならず、紛失や盗難のリスクは高まる)。

では、インターネット上にデータを保存しておくという案はどうだろうか?通信インフラの発展に伴って、どこにいてもインターネットに接続することが出来るようになりつつある今、インターネット上にバックアップが置いてあれば、「いつでも・どこからでも」失ったデータを取り戻せるようになる。問題は、さらに「誰でも」アクセスできてしまうのではないかという不安だが、考えてみれば、(人によっては)命の次に大事な「お金」は、ほとんど何の不安も感じないまま銀行という営利企業に預けてしまっているわけで、実際その信用は大筋で裏切られていない。

そう考えると、情報の時代である21世紀には、銀行の金庫に預けるような気持ちで自分のデータを保管してもらえるオンラインサービスが普及しそうだ。そうしたサービスを提供するのは専門業者であるかもしれないし、銀行の新サービスという形になるかもしれないが、国も有力候補といえよう。損益に縛られることなく、しかも規模の経済と国の購買力を効かせることで、どんな民間組織よりも堅牢かつ安価なデータ保管サービスを「社会インフラ」として提供できる可能性があると思うのだが、いかがだろうか。

NTT DATA AgileNet (岡田)

本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン 2007年2月8日号に掲載されたものです。

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