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第55回: 電子マネーが守る、低所得者のプライバシー
「モノポリー」という、参加者同士で資産拡大を競うすごろく型のゲームがある。ゲームの性格上、サイコロを振るたびに資産等の売買や税金・賃料の受け渡しなどが発生するのだが、その都度「現金」の授受が必要となる。おもちゃの紙幣なので、なくしたり数え間違えたりしても重大問題には発展しないが、おつりや両替、「貸付」の管理などの手間がかかってしまうのが難点だった。
米国では現金よりもカードによる決済が増えている。その現実社会の傾向を踏まえた発売元はこの夏、「社会の変化に合わせるため」、金銭の授受をおもちゃのデビットカードと決済装置で行うという「電子マネー版」のモノポリーゲームを発売した。付属するカードや読み取り装置は現実社会の実物を模したデザインで、装置にカードを入れ決済額を入力すると資金が移動する仕組みになっている。
紙の金券から電子マネーへの移行は電子政府の分野でも進んでいるが、とりわけ印象深いのは「Food
Stamp」と呼ばれる生活扶助制度である。米農務省が管轄し、各州が低所得者に配る食料品購入券「Food Stamp」は、当初は紙の金券だった。しかし、2002年頃から、外見や決済方式は通常のデビットカードと変わらないが、生活扶助の対象食料品の購入にしか使えないカードに置き換えられている。この電子化により、モノポリーゲーム同様、管理・運営費の低減や支給・決済の迅速化といった利点があったことはいうまでもない。しかし、特に受給者の観点から最も歓迎されたのは、スーパーのレジで肩身の狭い思いをせずにすむようになった点だという。
筆者お気に入りの「あっぱれ」な電子政府事例である。
NTT DATA AgileNet (岡田)
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本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン
2006年12月14日号に掲載されたものです。
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