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第48回: GPSと3人のタクシー運転手
先日、GIS(地理情報システム)に関する仕事で出張した時のこと。仕事場と宿泊先の移動にタクシーを使ったのだが、1日目に乗車したタクシーの運転手はこう言った。「GPSの仕事をしてるんですか?私もね、あったら便利なのはわかってるんですが、先立つものがなくて・・・まあ、地図が頭の中に入ってるから大丈夫」その発言の直後、彼は道に迷った。電話で道案内を受けてもまだわからず、しまいにはメーターを止めて30分さまよい、15分程度で着くはずの場所に45分もかかってしまった。途中からメーターを止めてくれたとはいえ、それでも通常の1.5倍の料金となり、非常に迷惑した。当然、このタクシーには二度と乗りたくない。
2日目のタクシーの運転手は、簡易な携帯型GPSを自前で装備していた。「自分の収入では非常に高価なものだが、思い切って投資した。効果はてきめんで満足している」とのこと。そんな彼は、運転中ずっと携帯電話を最大音量にして耳を傾けていた。なんとデータ通信し放題の契約をして、インターネット経由で祖国ソマリアのラジオニュースを聴いているのだという。そんな“ながら運転”でも、GPS効果か通常より早く目的地に到着、当然料金も安く上がったが、感謝の意を込めてチップを上乗せし、標準的な額を支払った。差額は丸々彼の儲けとなるわけで、ツボを押さえた「IT投資」が好循環を生み出している。
数年前、ある連邦政府関係者が「予算がないから電子政府に取り組まないのではない。予算がないからこそ電子政府に取り組まねばならないのだ」と発言していたが、この2人のタクシー運転手の逸話はまさにその縮図といえよう。
ところで、3日目に乗ったリムジンの運転手はこう言った。「それなりの給料をもらっているのでGPSくらいいつでも買えますが、GPSってそんなに便利なものですか?」最も裕福な3人目の運転手が最もITに対する理解がなく、しかも業務への活用を一切考えていない。将来、3人の中で最も成功しているのは、この人ではない気がする。
さて、日本はどの運転手を参考にすべきだろうか?
NTT DATA AgileNet (岡田)
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本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン
2006年8月10日号に掲載されたものです。
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