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第38回: 「拳銃を持たない警官の国」に思うこと
先日、ロンドンに出張する機会があった。前回ロンドンを歩いたのは13年前なので、ずいぶん久しぶりである。出張目的は昨年7月にロンドンで起きた同時多発テロ事件に関する危機管理、特に警察・消防・救急の連携についての情報収集で、英国ならではの事情と態勢を知ることができて大変参考になった。しかし、滞在中最も印象的だったのは、テロへの事後反応における米国との差であった。
一旅行者の立場で実際にテロが発生した地下鉄路線に乗り、現場そばまで行ってみたが、すでに半年が経過しているとはいえ、事件の影響がどこにも感じられないばかりか、警察官を見かけることさえなかった。テロに怯え、全力で警戒を続けている米国とは対照的である。そもそも英国では警察官は基本的に拳銃を装備しておらず、公安面での事情や意識に根本的な違いがあるのは間違いないが、駅構内に生物・化学テロ検知器を設置したりしている米国に対して、英国ではそのような装置は今のところ設置されていないという。
飛行機などと違い、乗客の流れを妨げないよう開放的でなければならない都市部の鉄道のテロ対策は難問が多いが、日本は両国の長所を取って、バランスの取れた国土安保態勢を確立したい。その際、両国の唯一明確な共通点、すなわち、予防から事件発生後の対応まで、情報力やコミュニケーションが最も重要と考えているという点が鍵になるだろう。
なお、今回の滞在中には、テレビ番組の合間に流れる英国電子政府サービスのコマーシャルを見ることができた。できるだけ政府広告「くさくない」ものを広告代理店に制作させて成功していると聞いていたが、確かに民間企業のコマーシャルと変わらない陽気な雰囲気で政府サービスを宣伝していた。半ばまで政府広告とは気づかなかったほどで、見終わったときには単なる旅行者の自分でさえ「アクセスしてみようかな」という気持ちを誘うものであった。テレビコマーシャルについては、参考にするのは英国だけで良い・・・かもしれない。
NTT DATA AgileNet (岡田)
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本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン 2006年2月9日号に掲載されたものです。
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