バックナンバー
第28回: 停電で実感した「現代のライフライン」
ワシントンDCの夏は非常に暑い。温度・湿度とも東京と同じように高くなり、体感温度はしばしば摂氏40度を超す。DCの夏でもうひとつ特徴的なのは、夕立と雷雨だ。今年は夕立の数はそれほどでもない気がするが、雷雨は平年通り多い。
その雷雨のせいで先日、DC北部一帯が24時間以上にわたって停電となった。2万世帯以上に影響が出、交差点の信号機が止まって警官が交通整理に追われるほどの大規模な停電である。幸い筆者宅は電気が使えないという事態は免れたのだが、ケーブルテレビやケーブル経由のインターネット・サービスは、経路上で障害が起きたために不通となってしまった。テレビやネットのない1日はとても静かだった。それはそれで悪くないとも感じたのだが、実際には、停電の回復状況を報じるニュースを観られない・食事に出ようと思ってもレストランの下調べができない、といった不便の方がより大きかった。買い物に出かけると、クレジット・カードが使えないとのこと。また薬局では、データベースを確認できないためか、薬の購入を断られた。
実はこの日、関東地方で大きな地震があったのだが、もちろんそんなこととは知らず、無事を知らせる家族からのメールを翌日に読むという間の抜けた話になってしまった。深刻な被害がなかったから笑い話で済むが、もっと大きな地震が起きていたとしたら、と考えるとぞっとする。また、大災害やテロの発生が原因だったなら、生活への影響はこの程度では済まなかっただろう。
「10年ひと昔」というが、インターネットの世界で10年前といえば、「インターネットを商用に使うのはいかがなものか」という意見さえ残っていたのではなかったか。いま、インターネットに信頼性を求めるのは筋違いではあるが、10年後にはインターネットもライフラインの1つになっているに違いない、と考えさせられる出来事だった。
NTT DATA AgileNet (岡田)
 |
本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン 2005年8月11日号に掲載されたものです。
|