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第24回: 110番するには追加契約が必要?

筆者は、現在使用していない携帯電話機を1台、充電器とともに自家用車に常備している。この電話機はすでにサービスを解約しているので、通常の通話には使えない。しかし、米国の携帯電話事業者は、サービス解約後の携帯電話機からでも、緊急特番である911番にだけは通話できるようにしておく義務があり、車に常備した旧電話機は万一の場合の「エマージェンシー・ライン」になるというわけだ。

このような行き届いた配慮が見られる一方で、自宅の電話から911に通報できない場合がある。「月額20〜50ドルで国内かけ放題」というふれこみで成長中のIP電話サービスは、オプション契約を付加しない限り911番に電話することができない場合が多く、またしばしば契約時にこの事実がきちんと告知されていないのである。その結果として起こったいくつかの不幸な事件が議論を呼んでいる。自宅に侵入者があった際、2階にいた家族が911に電話するもつながらず、階下の両親が撃たれた事件や、生まれたばかりの赤ちゃんが呼吸停止した際に母親が救急車を呼べず、赤ちゃんが死亡してしまったといった事件が相次いだのだ。こうした状況を受けて、FCC(Federal Communications Commission:連邦通信委員会)は5月19日、IP電話サービス事業者に対して、120日以内に911への接続性を確立し、通報者の発信地と発信番号が応答者に通知される仕組みを整備するよう命じた。

もちろん、今回の命令がすべての問題を解消するものというわけではない。外出先から接続して利用することができるタイプのIP電話サービスでは発信地の特定が難しいなど、解決策が見えていない問題もある。また、今後はインスタントメッセージ・サービスから緊急通報をするという動きが出てくる兆しもある。しかし、この命令が強制力をもつものであることから、IP電話サービスにおける最低限の緊急通報環境は整うと予想され、過渡的対応としては評価したい。

NTT DATA AgileNet (岡田)

本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン 2005年6月9日号に掲載されたものです。

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