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第15回: 通行料金所に垣間見る、電子政府の目指すべき方向性

年末にワシントンDCからニューヨークまで車で出かける機会があった。米国の高速道路はほとんどが無料だが、両都市間をもっとも便利に結ぶ高速道路は、かなりの区間が有料道路となっている。途中通過するいくつかの料金所には、有人の現金支払い受付レーンと無人の自動支払いシステム対応レーンがあり、専用の無線タグを車両に装着していれば、無人レーンを使って迅速に料金所を通過することができる。通行料金は通過車両の無線タグに対応した利用者口座の残高から差し引かれるという仕組みだ。

一方、無線タグを装着していない車両が誤って、あるいは故意に自動支払い専用レーンを通過すると、料金不払いとみなされる。その結果、自動的に読み取られたナンバープレートから所有者が割り出され、通行料金と罰金の請求書が郵送されてくる。

しかしこれは、考えようによってはおかしな話だ。通過した車両をナンバープレートで識別でき、その所有者に対して通行料金を請求できるのであれば、わざわざ無線タグを貸与したり、利用者口座を設置・管理したりする必要などないということになる。実際ロンドンでは、都市部の渋滞緩和のため、ナンバープレートの自動認識技術に基づく通行料金課金システムが稼動しており、一定の成果を上げている。

DC-NY周辺の有料道路という個別事例がナンバープレートを生かした制度等を検討したか否か、またナンバープレート制が最適解かどうかは別として、結果的に現状のシステムは既存業務をIT化したものに過ぎない。これでは真の電子政府とはいえまい。

電子政府とは、農業時代・工業時代に続く新しい「情報の時代」にあるべき政府の姿だ。従って、電子政府の構築は、工業時代の慣習や業務手続きを単にIT化するにとどまらない、まったく新しい政府のあり方を模索する取り組みであるべきだろう。通行料金所の無線タグのような「過渡的」システムによって効率化される部分は多いが、そこに安住することなく、さらに進んだ体系を目指す姿勢が不可欠であることを忘れてはならない。

NTT DATA AgileNet (岡田)

本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン 2005年1月13日号に掲載されたものです。

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