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第14回: 漢方ITのすゝめ

「いかにしてテロと闘うか」は、先日のアメリカ大統領選挙における大きな争点だったが、テロの原因と目されるもの(タリバーン・アルカイダ・フセイン政権)を次々に除去しようとする米国主導の動きを見ると、西洋医学と漢方医学の違いのようなものを感じずにはいられない。

西洋医学は、症状から病名を診断し、その病名に対応する検査や投薬を行って、特定した病原を直ちに除去することを主眼とする。一方漢方医学では、患者の体質や生活歴などを含む全体症状を把握した上で、生体の免疫力全般を高めることを目的に投薬が行われ、即効性は低いが体に優しい治療で体質自体の改善が試みられる。これまでのところ、米国のテロ対策は実に西洋医学的であるといえる。

政治からITに視点を移すと、現在のITもかなり西洋医学的傾向−すなわち、目に見える症状の除去を重視する対症療法的な傾向−が強いように思われる。強い薬による急激な対処は患者(=利用者)の負担も大きく、副作用を伴うことすらある。状況が許すのであれば、敢えて緩やかな改善を選択したり、そもそも病気にならないように体質の変化を促したりする漢方医学的なソリューションも必要だろう。

短期的な成果を求められる民間IT分野とは異なり、政府IT分野では、こうしたアプローチを選択しやすいのではないか。実際、米国政府はEAの推進を通じて国家全体にとって最適と判断される構造改革を進め、国力の増強を図っている。これは、個々の課題に対して個別に施策を立案したり、省庁ごとに独自の政策立案を行ったりといった西洋医学的アプローチ中心の姿勢から脱却し、病名や医科名を超えて理想的な体質づくりを行おうとする漢方医学的アプローチの導入が進んでいることを示している。

米国電子政府は既に、西洋医学と漢方医学の併用を実現しつつある。電子政府の一関係者として、日本における「理想的な体質づくり」が今以上に進むよう、2005年も努力していきたい。

NTT DATA AgileNet (岡田)

本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン 2004年12月9日号に掲載されたものです。

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