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第12回: ITはワクチン不足の特効薬になれるか?

世界中の注目を集めた米国の大統領選が終わった。

今回の選挙では、討論会におけるITを駆使したリアルタイムの支持率調査、ブログなどを通じた活発なコメント配信、電子投票のさらなる普及など、ITが社会に浸透してきたことを実感することが多かった。

その大統領選直前に争点のひとつとして浮上したのが、インフルエンザ・ワクチン問題である。昨冬はワクチン不足によるにわかパニックが日米ともに起きたが、米国では今年10月、昨年以上に決定的にワクチンが不足することが判明した。ワクチン供給大手カイロン社が衛生管理上の問題から英国政府に出荷停止を命じられ、ワクチン供給量が昨年の約8千万本を大幅に下回る約5千万本になってしまったのだ。これを受けて米国医療当局が乳幼児・妊婦・高齢者などへの接種を優先するよう呼びかけたため、現在はこれに該当しない人は基本的に接種不可能となっている。

例年以上に流行するであろうインフルエンザへの罹患を恐れる生活者としての目先の問題は、「対象者でもなかなか予約が取れない」「ワクチン供給が再開された場合、対象外だった者が速やかに接種できるかどうかが保証されていない」という2点だ。「在庫確認・接種申請・予約などが各自治体サイトで行え、供給状況の変化も随時メールで配信されるようになっていれば・・・」という声は筆者の周りにも多いが、このような国民の率直な要望を確実に捉えて実現していくことが電子政府の発展には欠かせない。

将来的には、現在連邦政府の旗振りの下で進められている医療情報の全米共有基盤化の流れの中で、ワクチンがあるところに優先接種対象者が赴くのではなく、地域ごとに対象者の人数を特定してワクチンを振り分け、不足している場合は随時近隣から移送するような仕組みも考えられる。さらに、ニュージャージー州で今年実施されたという接種抽選が他の自治体でも行われれば、IT活用による抽選の管理運営は必須となる。

命に関わることだけに、可能な限り公平かつ迅速な対応が可能な仕組みづくりが望まれる。

NTT DATA AgileNet (岡田)

本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン 2004年11月11日号に掲載されたものです。

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