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第9回: 政府のモバイル活用度とワシントンDCのモバイル環境

米国電子政府の動向を調査していると、モバイル関係の話をあまり耳にしないことに気づく。実際、ある報道によれば、ワシントンDCは全米主要都市の中でも最もモバイルコンピューティングが困難な都市の1つとされている。米国は政経分離型のためこのような状況は仕方がないことではあるが、首都のモバイル環境の悪さが電子政府のモバイル活用の妨げとなっているように思われる。

お粗末なモバイル環境のワシントンDCを格好の市場と見たのか、Verizon Wireless社が、大手携帯電話会社では初めてとなる高速モバイル通信サービス “BroadbandAccess” の提供を昨秋からDC地域で開始した。最高2Mbps(通常300-500kbps)で通信可能なこのサービスは月額約80ドルとやや高額なため、需要はビジネス利用が中心となっている。また、現時点におけるサービス提供地域はDC以外ではサンディエゴとラスベガスのみであり、出張時の通信手段としては魅力に欠けるのが難点だ。

しかし先日、地下鉄車内でノートパソコンを広げた通勤客が職場らしき接続先にアクセスして仕事をしているところを見かけた。DCの地下鉄はかなりの確率で座れるため、モバイル通信環境さえ整備されれば、車内でも十分仕事ができると思われる(ただし、夜間は安全面の問題からノートパソコンを取り出すことがはばかられるという別の問題がある)。

このように民間レベルでは改善の兆しが見え始めたワシントンDCのモバイル環境だが、政府業務における利用はいまだに危機管理などが中心となっているようだ。有線インターネットの普及当初と同様に、その恩恵やポテンシャルが広く理解され電子政府での活用が本格化するまでには、もうしばらく時間がかかるのかも知れない。

NTT DATA AgileNet (岡田)

本コラムは、NTTデータのDigital Government メールマガジン 2004年9月29日号に掲載されたものです。

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