SFドラマ『スタートレック』シリーズのファンのことをトレッキーと呼ぶ。何を隠そう、筆者もその一人だ。トレッキーにとっては周知の事実だが、『スタートレック』の原作者は、1997年に世界で初めて宇宙葬に付された人物の一人である。来年には、地球上に残っている彼の遺灰を、昨年末逝去した夫人の遺灰とともに宇宙の彼方に打ち上げ、夫婦揃って宇宙葬にするという。 宇宙葬のようなスケールの大きな葬儀は困難な一般人にも、それなりに時代を反映した変化が起きているようだ。MSNBCなどの報道によると、携帯電話や携帯ゲーム機、メディアプレーヤーなどを遺体と一緒に埋葬することは5年ほど前から一般化しており、「ペットの遺灰と一緒に火葬して」という要望に次ぐ人気だという。最近では、携帯電話のBluetoothイヤホンマイクを耳に装着した状態で棺に納めたり、釘打ちの際に遺体にヘッドホンをつけ、好きだった音楽をメディアプレーヤーで再生しながら出棺したりする事例もあるらしい。また、葬儀の間中、棺の中の携帯電話に電話をかけて着信履歴を残したり、留守番電話にメッセージを残したりする弔い方も登場しているとのこと。さらには、死後も故人の携帯電話を解約せず、その電話番号にかけて応答メッセージを再生して在りし日の声を聴いたり、棺の中にある携帯電話に時々電話しては位牌に話しかけるように留守番電話にメッセージを残したりする人もいるそうで、携帯電話が葬儀の後も故人と遺族をつなぎ続けていることがわかる。 棺や骨壷の中の電話機はいずれ電池切れしてしまうが、留守番電話センターに接続されればメッセージを残すことができる。生前から複数の応答メッセージを用意しておくなどすれば、案外人気のサービスになるかもしれない。誰も解約しないようになると電話番号の枯渇が心配だが、その番号こそ故人にまつわるものなので保持しておきたいのが人情だろう。次なる変化としては、棺桶に電気を供給して携帯電話の電池切れをなくし、本当に棺桶の中にある電話を鳴らせるようにすることだろうか?しかしそんな電話を、純粋な間違いならいざしらず、勧誘や詐欺で鳴らしてしまった日には、安らかな眠りを妨げたといってそれこそ罰が当たりそうだ・・・。
NTT DATA AgileNet (岡田)