米国では、子供の視聴に適さないコンテンツは遮断すべきという考えが一般的だ。DVDやゲーム機は保護者が許可した範囲内のコンテンツしか使えないように設定できるし、テレビも機種によっては番組内容に加えて時間帯・1週間の視聴時間数なども制限することができる。もちろん、インターネットの利用にも規制をかけられるソフトウェアやサービスが普及している。携帯電話についても同様で、例ばAT&T社は、通話時間、テキストメッセージやチャットの量、閲覧できるコンテンツなどを制限できるサービスを月額約5ドルで提供している。 しかし最近、こうした方法では防げない問題が広がっている。テキストメッセージでコミュニケーションする“Texting”をもじって“Sexting” と呼ばれるもので、携帯電話で自分の裸の写真を撮影し、「どう?」とふざけ半分で送る子供が増えているのだ。10代の妊娠防止に取り組んでいるNPOによれば、10代の少年少女の2割(約400万人)は自身の半裸・全裸写真を送信した経験があるという。 信用できる親しい相手に送ったつもりでも、仲間内で回覧されたりSNSに投稿されたりして恥をかく例が後を絶たないが、それ以上に深刻なのは、児童ポルノ禁止法違反で検挙されてしまうことだ。自分で自分を撮った写真でも違法であることには変わりなく、実際に複数の青少年が逮捕されている。有罪が確定すれば性犯罪者リストに登録されてしまい、生涯にわたって転居や就職に非常な困難が生じる。 裁判官によっては、「未成年者であることに鑑み、学校内で25人以上にSextingの違法性を啓蒙すれば、性犯罪者リスト入りは免除」といった大岡裁きをする場合もあるようだが、問題の大きさ、あるいは存在自体に気づいていない保護者や学校関係者も多いと聞く。未成年者が裸体写真を送受信できないようにする機種やフィルタリングサービスも未だ登場していない模様で、この問題の解消にはしばらくかかりそうだ。
NTT DATA AgileNet (岡田)