米国の主要な空港では、搭乗口の周辺にインターネットを利用するための設備が用意されていることが多い。始まりはモデム接続用の端子が付いた公衆電話だったように思うが、しばらくして携帯電話やWi-Fiが普及してくると、携帯電話や通信カードをノートパソコンにつないで通信している人を目にする機会が増え、こういった公衆電話は姿を消した。モデム端子付き公衆電話が「空港でもインターネットに接続できるようになった」モバイル第1世代の象徴だったとすると、今は自前の機器で「空港に限らずどこでもインターネットが利用できる」第2世代のただ中にあるといえるかもしれない。 近頃ではさらに、コロンブスの卵といえそうな新サービスが登場している。いつでもどこでもネットや電子機器を利用せずにはいられない新世代向けに、電源コンセントを提供するというサービスだ。携帯電話や携帯メディアプレーヤー、そしてもちろんノートパソコンを、待ち時間に使いたい、あるいは飛行中の長時間の利用に備えて充電しておきたいという需要の高まりを受けたものだろう。多くの空港で見かける、サムソン・モバイルステーションと書かれた柱状の看板がそれだ。 立ったまま、あるいはイスに座って使うのに適した高さに小さな机があり、「ご自由にお使いください」と電源コンセントが6個ほど提供されている。そこに思い思いの機器をつなげて利用している若者やビジネスマンは、サムソンが気の利いたサービスを気前良く使わせてくれることに感謝して、次に空港を利用する時もサムソンのロゴを探すであろうし、傍目には「サムソンのロゴの下に大勢が集って賑わっている」ように映る。設置面積はせいぜい1坪程度で、電子機器の消費電力もたかが知れていることを考えると、サムソンの出費はかなり低く抑えられていると思われ、なかなか賢い広告戦略といえよう。わずかな費用で好意的な利用者を増やすこのような発想法を、電子政府の分野でも参考にしたいものである。
NTT DATA AgileNet (岡田)