ある雑誌広告。誰もいない駐車場に当て逃げされた車がぽつんと停まっている写真の下に、こう書かれている。「ぶつけた人は、連絡先のメモを残すべき。でも、事務書類の削減努力には拍手します。」 事務書類の削減は万国共通の課題といえるが、同様に万国共通の悩みが都市部における駐車場の確保だ。そこでサンフランシスコ市は、慢性的な駐車場不足への対策として、市内に2万4,000個あるパーキングメーターをネットにWi-Fi接続し、空車情報を携帯電話や路上案内板で知らせる「スマートパーキング」サービスを発表した。まずは2,300万ドルを投資して、今秋までに6,000台分を整備するという。ITを駆使して行政上の課題を解決しようとする姿勢は、さすがにシリコンバレーの隣町だけのことはあるが、よく考えてみるとこのシステム、空車が出た場所に何台もの車が殺到してしまったり、偶然居合わせた車が先に駐車してしまったりということが往々にして起こりそうだ。前述した広告ではないが、「ITを活用して行政サービスの向上に取り組む姿勢には拍手を送りますが・・・」といったところか。 そこで、こんな改善策はどうだろう?せっかくネット接続するのだから双方向通信型にして、空きを待ちたい範囲や時間を携帯電話などを使ってシステムに登録できるようにする。レストランで先着順に名前を登録するようなイメージだ。空きが出たら、待ち行列の先頭の車に通知される。通知を受けた車は、空いた駐車場の場所を確認し、そこに駐める意志がある場合はそのまま携帯電話で支払いを済ませ、確認番号を受け取る。場所が気に入らないなどの理由で辞退する場合は辞退ボタンを押すと先頭を維持したまま次に待っている車に案内が送られるが、辞退は2回までしかできない。また、1分以内に辞退も支払いもしなかった場合は待ち行列から抹消される。支払いをした場合は、そのパーキングメーターに行き、確認番号を入力して駐車する。その間、他の車は確認番号がないので駐車できない。一方、メーターは携帯電話から料金の支払いを受けた瞬間に時間計測を始めるので、他車の駐車を拒否しても機会損失はない。 インターネットを利用できる携帯電話がないと駐車しにくい点になんらかの配慮が必要かもしれないが、基本的には行政側にとっても利用者側にとっても利点のある、Win-Winなシステムといえるのではないだろうか。
NTT DATA AgileNet (岡田)