「仕事柄、著名人や高職者の講演を聴く機会が多い。先日もインターネットの通信規約TCP/IPの開発者の一人であるVinton Cerf博士の講演会に出席した。「インターネットの父」とも呼ばれる氏は、その貢献を賛えられ、米国文民に与えられる最高位の勲章「大統領自由勲章」を 2005年に受章したのをはじめ、数々の栄誉に輝いている。 機知と洞察に富んだCerf博士の講演はIT業界関係者であるなしに関わらず色々と参考になるものだったが、最も印象に残ったのは、「先日夕食をともにした際・・・」という形で日本の天皇陛下の話が飛び出したことだ。 4月23日に日本国際賞を受賞したときの晩餐会で、陛下の隣に座り、さまざまな話をしたとのこと。世界の水不足対策の1つとして海水の淡水化について触れたところ、魚類分類学者である陛下に「淡水化後に残る塩の処理が課題だ」と指摘されたとの逸話を紹介していた。 著名人の講演を数多く聴いてきたとはいえ、天皇陛下の話が出たのは初めてだ。前例もあるのかも知れないが、IT関係者が天皇陛下の隣に着席する時代が来たのだなと感慨深かった。遠からず菊花章を受章するIT関係者も出るのかもしれない。ブッシュ大統領はITには強くないようだが、ゴア前副大統領はインターネットの普及に顕著な功績があったし、英国のエリザベス女王はポッドキャスティングを行って話題になった。日本からITを巧みに操る高職者が輩出されるのはいつだろうか。
NTT DATA AgileNet (岡田)