2002年8月17日、フロリダ州の夜の砂浜で若い夫婦が拳銃強盗に遭い、2人とも撃たれた上に27歳の妻が死亡するという事件が起きた。一方日本では、 2007年8月11日に、40歳の男性が路上で頭を撃たれて死亡している。場所も年月も離れているこれら2つの事件には、興味深い共通点が3つある。 まず、被害者の死因が、頭部への被弾であること。フロリダ州の事件では、夫は上半身に4発の銃弾を浴びながら生き延びたが、妻は頭を撃たれて死亡した。 2つ目の共通点は、被害者自身が犯人であったこと。前者は妻の生命保険金200万ドルを狙った夫の犯行で、後者は金銭問題を抱えていた暴力団員が組からの追求を逃れるために銃撃事件を自作自演したが、当たり所が悪く死亡してしまったものと報道されている。 そして第3の共通点は、パソコンが犯人を暴いたことだ。どちらの事件でも、警察が被害者のパソコンを押収して調べたところ、それぞれ胸や頭を撃っても死なない方法を調べた形跡があったことが事件解明の決め手となった。どちらの国の警察も、IT時代への適応が進んでいるようで、頼もしい。 ところで、日本の事件では、共犯者が「撃たれたのが頭であれば疑われないと思った」と供述しているそうだ。フロリダ州の事件の公判は2006年6月だったので、ひょっとすると、その後1年間にこの事件のことを知り、撃つ場所を頭にするという「改善」を加えて真似たのかもしれない。仮にそうなら、アンテナの高さと行動力には感心するが、肝心の検索結果の完全消去を怠ったのはお粗末だ。いずれにせよ、犯人たちのIT知識不足が逮捕に貢献した事件だったと言えるが、世間のITリテラシーが高まるにつれて、犯罪者のITスキルも高度化していくだろう。警察にはぜひ、優秀なIT鑑識によって常にその数十歩先を行くことを期待したい。
NTT DATA AgileNet (岡田)