長距離列車や飛行機などを利用すると、たいてい出発して程なく、行き先や到着予定時刻などの案内が流れる。飛行機の場合はさらに、目的地の天気や予定飛行経路、揺れの予想なども放送することが多い。サービス精神旺盛な機長に当たると、「左側にグランドキャニオンが見えています」などと、有名な都市や地形など見どころの上空で教えてくれるので、退屈が紛れるのもありがたい。 しかし、深夜・早朝の便では、乗客の睡眠を妨げないようにするため、景色などの親切な案内はもちろんのこと、気象の悪化から迂回することになり、そのために到着が遅れるといった重要な連絡もなくなってしまう。客室乗務員を呼んで調べてもらうことも可能だが、そこまでするのも気が引ける。 そこで、機内のAV機器を使って、チャット形式で機長に質問を送れたら面白いかもしれないと思った。「窓の外に見えているあの山は何ですか?」といった素朴な質問に始まり、「今すれ違った飛行機は何便ですか?」「この機体の総飛行時間は?」といったややマニアックな質問、そして「操縦士を目指したきっかけは?」「これまでの操縦経験で最も感動したことは?」などのより親密な質問までできるかもしれない。 言うまでもなく、機長には操縦を最優先してもらわねばならないから、必ずチャットにつきあってもらえると期待するつもりはない。しかし、ラジオ番組への投書のようなもので、取り上げてもらえる可能性は低くても、ひょっとすると操縦室と双方向コミュニケーションがとれるかもしれないと考えると、筆者のように飛行機好きな乗客にとっては、機内での楽しみが大幅に増えるだろう。飛行中に操縦室を見学することができた昔と異なり、9・11事件後の今は操縦室との間に厚い壁の存在を感じることが多くなってしまったが、それをITで橋渡しできたらいいなと思う。
NTT DATA AgileNet (岡田)