学校教育の現場において、ITは教材としても教科としても重要性を増している。これからの時代、子供たちにはITに強くあってほしいし、教師が社会科などIT以外の科目を教える際も、ITを活用してできるだけ効果的な教育をしてほしい。 とはいえ、子供が学校のパソコンでポルノというものを「学んで」しまったら、保護者としては憤りを感じるだろう。2004年10月、米国コネチカット州のある中学校で、まさにそのような事件があった。教室にある教師用のパソコンにわいせつ画像が表示され、生徒たちの目に触れてしまったのである。その時教えていたのは女性の補欠教員であったが、今年1月に「未成年を障害の危険にさらした」として有罪判決を受けた。 しかし、悪いのは本当にその教師だろうか?臨時代行であるし、本人はそのような画像を表示させようとしたことはないと主張している。その学校のパソコンにはファイアウォールやウイルス対策ソフトウェアなどが導入されておらず、いついかがわしい画像が勝手に表示されても不思議ではない状態だったが、そう指摘するサイバーセキュリティ専門家は裁判で証言が許されなかった。そのような理由から、この裁判は再審が決まったが、コンピュータが不適切な動作をしたとき、その最終的な責任は使用者(使い方)ではなく、管理者(整備)や経営層にある、との司法判断が出そうだと注目されている。 そうなれば、経営層やIT管理部門の責任はますます重くなってしまうが、「従業員に使わせる道具が適切に整備されていて安全に使えることを保証するのは当然」という専門家の指摘にも一理ある。もっとも、教育という意味では、本件のような「整備不良」は、子供たちがIT時代における表現の自由を考えたり、きれいごとだけではない実社会を垣間見たりする機会にはなっているのかもしれない。
NTT DATA AgileNet (岡田)