前評判の高かった新型携帯電話機が遂に発売となった。筆者の職場でも早速購入した者がいる。「手持ちの携帯電話とメディアプレーヤーが同時に故障した」という、幸運な(?)状況だったそうだが、このような機器の故障や紛失・盗難は、保存されている情報の価値を無視できない場合が多く、要注意だ。自分が撮影した写真など、文字通り金銭に代え難い情報のほか、記憶容量の拡大に伴い、着信音・楽曲・映像など、購入したコンテンツの総額が高まっていることが最近の傾向だが、それにもかかわらずバックアップを持たずに使っていたり、バックアップごと事故・盗難に遭ってしまったりすることも多いようで、一部の保険会社は購入したコンテンツを保障対象にして他社に対する差別化を図っているという。 一方、電子政府内のデータに保険をかけている事例は耳にしない。損害が高額になるなど、リスクを読みにくいからであろうか。実際、今年3月にアラスカ州の歳入局で起きた事件では、職員の誤操作によって、州民に支払うべき給付金が380億ドルも宙に浮いてしまった。州民から提出されていた受給申請書類80万枚を消し去ってしまい、支給できなくなったのである。しかも、失敗に慌てたのか、バックアップファイルまで削除してしまったという。さらに、そんな時のために用意してあった「予備の予備」にあたるバックアップテープから復旧しようとしたところ、なんと読み取り不能ということが判明したというから、目も当てられない。最後は、76人の職員が残業と休日出勤を重ねて段ボール300箱分の紙文書を6週間で再電子化し、なんとか取り繕ったものの、復旧に要した人件費等は22万ドルを超え、補正予算が必要になったという。システムや機器がどれだけ便利になっても、使い方を誤らないように注意しなければせっかくの恩恵も色あせてしまうという、これもひとつの例である。
NTT DATA AgileNet (岡田)