修学旅行の季節が到来し、アメリカ人にとって定番の訪問先であるワシントンDCでは、街中や地下鉄内で生徒たちの集団を見かけるようになった。日本の電車内ほどではないかもしれないが、こちらでも多くの生徒が携帯電話を手にしているのが印象的だ。教室に持ち込むことを禁じている学校も多いようだが、大人の耳には聞こえない高周波の着信音を使って授業中にメールのやりとりをするなど、教師と生徒のいたちごっこが展開されていると聞く。 教室におけるITといえば、数年前、PDAやiPodを学習に活用しているといった話題が注目を集めた時期があったが、最近は逆に、カンニングを警戒して禁止されるというニュースを耳にするようになった。ベトナムや中国などでは、難関大学の入試で携帯電話等を使った大がかりな不正があったそうだ。得られるものが大きいだけに、不正を働いてでもそれを得ようとする不届き者が出てしまうのだろう。言わずもがなだが、公正を期すためには、不正を防止することが重要である。 ことが公職選挙なら、なおさらである。フロリダ州は先日、タッチスクリーン式で投票結果を電子的に集計する投票装置は、不正行為を防止・証明しにくいため有権者の不信感を払拭しきれないとして、マークシート式の投票に移行することを決めた。同州が2000年の大統領選挙の混乱後に導入したタッチスクリーン式は、採用した製品や開発業者の信頼性に対する疑問が次々と表面化した上、その子会社の製品に至っては不正を助長するかのような設計であることが明らかになったこともあり、ついに市民の信頼を得ることができなかった。 不正のためにそのような設計になっていたとは考えたくないが、そこまで信頼性の低い製品や業者の製品が公職選挙に採用されてしまっていたこともまた恐ろしい。作り手と使い手、さらにその両者を監査する第三者が、揃ってITの信頼性確保に取り組む必要があるといえるだろう。
NTT DATA AgileNet (岡田)