筆者は大の飛行機好きである。旅行する必要がなくても、飛行機に乗るためだけに切符を買ってしまうほどで、最近は私用だけでも年間10万マイルというペースで飛んでいる。小型機だが実機を操縦したこともあるし、大統領専用機に乗ったこともある(博物館にあるケネディ大統領時代のものというオチがつくが)。 さて、現役の大統領専用機の本拠地は、ホワイトハウスの南東15kmにあるアンドリュース空軍基地である。ここでは毎年、一般人も入場できる米軍の航空ショーが開催されており、筆者も当然ほぼ毎年足を運んでいる。今年は最新鋭のF-22ステルス戦闘機の飛行が実演され、空中で静止したり、その場で宙返りしたりしているように見える運動性能が、観衆の視線を釘付けにしていた。 ラプター(猛禽)と呼ばれるこの戦闘機は、超音速で長時間飛行できることが特徴の1つだ。しかしその実、地球規模の長旅は苦手だったようで、今年2月、ハワイから沖縄に向かう途中で変調を来たし、ハワイに舞い戻ってしまった。米空軍のウェブサイト等によると、機上のコンピュータが、日付変更線を越えるという行動に正しく対処できなかったのが原因らしい。さしずめ西暦2000年問題のミニチュア版といったところか。 航空ショーの場内アナウンスでは「世界で今最も恐れられている」と紹介されたラプターだが、いかに無敵のハードウェアを持とうとも、ソフトウェアの出来次第ではその真価を発揮できなくなるということを改めて思い知らされる。急速なIT化が続く現代、軍事のみならず政治・経済や一般の生活に至るまで、ソフトウェアの重要性はどれだけ強調してもしすぎることはないのだ。
NTT DATA AgileNet (岡田)