今年の春、カナダの首都オタワ行きの航空券を予約した際、航空会社のウェブサイトの予約画面で「パスポート番号や生年月日などの情報を事前に入力しませんか?空港でのチェックインが迅速化されますよ」と表示された。その案内を読んだ瞬間は、「パスポート番号のような大切な個人情報を気安く教えるものか」と思ったが、よく考えてみれば、チェックインの際はいずれにしろ航空会社の職員がパスポートをスキャンして番号等をシステムに取り込む仕組みだったと思い直し、入力することにした。その甲斐あってか、搭乗前のチェックインは非常に円滑だった。
一方、先日スイスに出張した際は、チューリヒ空港でチェックイン前に大変な尋問を受けた。友人から、イスラエルのテルアビブ空港を思わせる厳しさだと聞いてはいたが、実際、約10分間にわたって、米国での住所やそれを証明する書類、鞄の内容物の詳細などを(官憲ではなく)搭乗する航空会社の職員に詰問された。筆者はその航空会社をかなり頻繁に利用しているのだが、これまでにない不愉快な思いをした。
米国ではこのような「仕打ち」は受けたことがない。思えば、2003年10月号のDGPマンスリー記事で紹介したように、米国では、航空券の購入者情報が連邦政府に提出され、その人物の危険性が判定される傾向にある。この仕組みについては、プライバシー面から数々の深刻な問題が指摘され、内容が見直されたり、試験導入が中断されたりしている。しかし、チューリヒ空港での体験がそのようなシステムがないために生じた不便や苦痛だったとしたら、米国のシステムはやはりありがたいものなのかもしれないと感じた。
NTT DATA AgileNet (岡田)