あるウェブサイトからコメントを送信しようとしたら、入力欄がいくつかあるものの、「入力欄1」「入力欄2」・・・としか記されておらず、どの欄に何を記入すればよいのかわからない。また別のウェブサイトでは、ページ全体が真っ白な状態で、希望の情報にたどりつくためのボタンがどこにあるのかさっぱりわからない・・・実はこれ、視覚障がい者が日常しばしば遭遇していることなのである(後者は画像のみで構成されたサイトに多い)。
ITの進歩に伴って、障がい者や高齢者にはさまざまな利便性がもたらされることになった。例えば、視覚に不自由がある人が、点訳などのサービスを待たずに新聞の最新情報を得られたり、肢体に不自由があっても自宅にいながらオンラインで買い物をしたり、電子政府から住民票を取り寄せたりできるといったことだ。英国では、色の見分けが困難な人が、携帯電話のカメラを使って案内板や印刷物の「色」を知ることができるという。
しかし、アクセシビリティに配慮していないウェブサイトに行き当たると、上述の例のように、何があるのかわからないという事態に直面してしまう。ウェブサイトの場合「手探り」さえできないため、より始末が悪いと言えるかもしれない。社会のIT化が進めば進むほど、ITの登場前よりも不自由になる危険性もあるのだ。極端な例だが、オンライン・ショッピングが支配的になった結果、テレフォン・ショッピングがなくなったとする。オンライン・ショッピングのウェブサイトがアクセシブルでないと、これまでテレフォン・ショッピングに頼っていた人は一切買い物ができなくなってしまう。
こうした事情をふまえて、ユーザビリティやアクセシビリティに配慮しようという動きが高まっている。米国連邦政府にアクセシブルなIT製品・サービスの調達を義務づける「508条」はその代表格だ。が、実はユーザビリティやアクセシビリティに優れたサイトは利便性・検索性・汎用性が高いため、こうしたサイトを構築すれば、障がい者や高齢者に限らず、全体的な顧客満足度の向上につながるサービスの提供が可能となる。
このような視点も含め、先日来、米国でアクセシビリティ活動の最先端にある方々から興味深い意見を聞く機会が増えている。今後折に触れてご紹介してゆきたい。
NTT DATA AgileNet (岡田)